障がいのある子ども達が自分らしさを生かして生きていける社会をつくりたい。あなたは生きているだけで人に何かを与えることができるということに気づいて欲しい。
"限りある人生を丁寧に生きる" 津田
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大阪で支援学校で勤務をされている小早川さん。今回は以前インタビューをさせていただいた中筋さんにご紹介していただき、インタビューをさせていただくことになりました。弟さんとの関わりの中から支援教育への一歩を踏み出した小早川さんの日々の子どもたちとの関わり方やこれからやっていきたい大きなゆめとはどのようなものなのでしょうか。お話を伺わせていただきました。
高校の先生の一言で思い出したゆめ
Q「支援学校の教員を目指したきっかけはなんでしょう?」
弟が支援学校に通っていて、そこがきっかけで支援学校に行くことが多くて、そこの先生型の姿や弟がその学校で過ごす姿を見て自分もそういう仕事に憧れていました。高校では進路に迷っていて体育の先生を目指していたのですが、高校の先生から支援学校はどうなんだと言われ、支援学校に対しての思いを思い出したんです。そこからは迷うことなく支援学校の教員を目指してゆめが叶いました。
学校をやめると校長に手紙を出した生徒の変化
Q「支援学校で印象に残っている出来事はありますか?」
大学を卒業して一番最初に高校3年生を持たせてもらいました。その中で最初はなかなかプレッシャーも多くて馴染めるか心配でした。でも、その中でたくさんの生徒が寄ってきてくれて、生徒たちへの思いがとても強くなりました。自分は大学の卒業式では全く泣かなかったんですね。でも、最初の学年の生徒たちの卒業式の日の最後のホームルームでは感極まって涙が出てしまいました。とても印象に残った一年ですが、もっとこうしてあげられれば良かったなという思いもあります。今は高校2年生で昨年からの持ち上がりなので来年も見ることができるとしっかりと関わっていけるのかなと思っています。
支援学校って大人に頼りがちですが、少しずつ大人の手を離れていく自立という状態が大切です。全く授業には入れなかった子が入れるようになって成長していくんです。以前おもしろい子がいて、校長先生に「僕は学校やめます」と手紙を出しに行ったんです。今となっては微笑ましいんですけれど、今は学校めっちゃ楽しいと話してくれているんです。一年間その子の関わり方にはいろんな先生に相談して進めていきました。特に意識したのはその子の得意なことを発表させたんです。支援学校の子どもたちって自己肯定感が低いんです。そこを、自分はこういったことを発言していいんだということやこういうとこを認めてもらえたという経験を与えてあげたことで顔が変わったんです。ぼくらはきっかけ作りしかできないのですがそういったアプローチや関わりは自分の中で大きな一歩になりました。
自分をさらけ出した時にそのすばらしさを伝えることの大切さ
Q「認めるとはどのようなことですか?」
支援学校の子どもたちって特性がすごくあるので、自分のこだわりとか、子どもがいろいろはがゆさをかんじているのです。でも自分らしさをさらけ出した時に褒めてもらえるという経験が大事なんです。「すごいやん」とか「今のカッコよかったよ」の一言でも本気で思って伝えることで表情が変わります。その子らしさを認めていくことが大切だと思います。特に自分は弟が障がいがあるので保護者の気持ちも受け止めていきたいと思っているんです。保護者の方はいろいろな悩みや将来への不安を抱えていると思います。そういった保護者の方々の思いが自分自身もよくわかるんです。学校でできることには限りがあるのでちょっとずつ生きづらさを和らげてあげるということをしたいと思っています。
自分らしく幸せな人生を子どもたちに生きて欲しい
Q「これからやってみたいゆめはどんなことがありますか?」
いろんなことを経験させてあげたいです。障がいがあるというだけで制限がかかってしまっていると思うんです。僕自身めちゃくちゃ趣味が多いんです。いろんなことを経験して人生って豊かになると思っているので。そういった面でも今って障がいのある人って生きにくいと思うんです。キャンプにいったりアウトドアでバーベキューをしたりすることで色々な人の働きが知れると思います。僕たちができるのはきっかけづくりなのでそこからいろいろなことを学んでもらいたい。子どもたちが笑顔になれるようなきっかけ作りをたくさん作ってあげたいです。一番理想としては自分で学校を作っていきたいんです。私立の支援学校って少ないんです。学校を作っていくことで子どもたちに自由な体験や経験をさせてあげたい。そうして働く大人たちの環境も整えていきたいと思っています。子どもたちのためにや面白いことをさせてあげることができるような環境を提供していきたいと思います。
学校を作ることができたら子どもたちが社会に出た時に自分らしく生きていけるような教育をしていきたいです。障がいがある子って得意なところが天才的なんです。そこの良さをもっと生かしてあげたいなと思うんです。絵がうまい子なのに作業所で働いたりめちゃくちゃパソコン上手なのにただのとりわけの作業をしていたりなどをしているんです。なので私立をつくってそういった特技を活かせるコースを作ってあげたいと思っているんです。良さを伸ばしてあげることで自分が不得意なところよりも良いところに目線を向ける。そうやって肯定していくことで自信を身につけていくと思います。卒業してからの方が人生は長いので。誰でもそうですけれどもいかに自分らしく幸せに人生を過ごしてくことが一番の目的です。
大きな目的としてもっているのは特別支援教育って本来特別なことではなく当たり前な社会を作っていくことです。実際に言葉だけでは理解しにくいことって僕らでもあると思うんです。誰しもが苦手なことや得意なことがあるんです。そういったことに対して支援することが当たり前の世の中にしていきたいと思うんです。
あなたは生きているだけで人に何かを与えることができる
Q「大切にされている価値観はありますか?」
すごく大切にしていることは『自分が楽しまないと子どもたちを楽しませることはできない』ということです。子どもたちを笑顔にするために成長のためにこの仕事を選んだわけで、やっぱり子どもたちに笑顔でいてもらいたいので自分自身が楽しみながら何事にも取り組みたいです。僕も勉強得意ではないですし子どもたちもできないこともたくさんありますけど笑顔でいることは出来ると思うんです。これは弟が重度の障がいがあって言葉も全然話せないんです。でもなんだか家族の中で癒しの存在なんです。なんでかなと思ったので考えてみたのですが、すごく笑うんです。一枚僕と弟が一緒に写っている写真があってすごく気に入っているんですけど弟がすごくいい笑顔で笑っているんです。弟は笑っているだけで人に幸せを与えることができるというか。そこは自分も大切にしています。これを子どもにも教えていきたいなと思っています。なんで生まれてきたかわからない子もたくさんいるのですが、生きているだけで誰かに何かを与えてくれるんだよと伝えてあげたいです。
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